事業承継は先代から後継者へ事業のバトンタッチをスムースに行うことがとても重要です。
自社株式の移動方法の検討や株価対策で税金を軽減させるだけでなく、後継者が事業を円滑に進められるよう業務内容の整備や社内体制の再構築などを計画的に進める必要があります。
通常の事業承継対策は自社株対策に重点が置かれています。一時的にでも自社株評価額を引き下げて、先代が保有している株式を後継者に移動しやすくするということは重要であります。
しかし、自社株式を移動させて形式的な事業承継ができあがれば会社が永続的に継続されるわけではありません。
会社の事業が永続的に続くことが一番重要であることを忘れてはいけないのです。
弊社の事業承継コンサルティングは、会社の事業が先代から後継者へスムースにバトンタッチできるように計画的に進める手法をとっています。
そのメニューの一つに中期事業計画の策定アドバイスがあります。
特に後継者が自らの力で中期事業計画を作り上げることにより、会社全体を俯瞰的に把握することができます。
私たちは魂が入った中期事業計画を作り上げるためのアドバイスや関係部署の調整といったお手伝いもさせていただいております。
製造業であるD社は従業員100名を超える中堅企業であり、国内の厳しい経済状況の中にもかかわらず業績が安定している企業です。
社長にはサラリーマンをしている長男がいましたが、この度D社に入社することになりました。
社長にヒアリングすると65歳になる10年後に社長を退任したいというプランをもっていましたので、簡単な10年間のイメージ図を作成しました。
ヒアリングを進めていくと、平成27年3月期に工場設備のリニューアルを予定しているとのことが判明したので、その責任者を長男にしてもらってはどうかということを社長にアドバイスしたところ、それはいいアイデアだということで大いに賛成して頂きました。また、大きな設備投資になりますので金融機関との借入交渉にも長男に参加してもらうことにしました。
それだけではありません。
工場設備のリニューアルを利用して自社株対策も同時に行うことも可能だとアドバイスしたところ、自社株式を長男にある程度移動させるのにはいいタイミングだということで進める計画となりました。
このように、ヒアリングを通じて会社の情報を得ることにより、様々なアイデアが生まれてきます。
現在は第1次中期事業計画の策定中ですので、まだまだアイデアが生まれてきそうです。